学生時代は魚がメインの和食店でアルバイトをしていました。料理は担当せずに洗い物だけしていたにも関わらず、毎回バイトから帰る頃には食器に付いていた魚成分で手が生臭い…
石鹸で手を洗う程度では落ちないにおいで、お風呂に入ったらやっと薄まるかなという感じ。生臭さが取れないまま布団に入ることもありました。
社会人になって自宅で魚を食べるときは処理済みのものを買っているのでさほど気になりませんが、家でさばく人にとって生臭さは深刻な問題ですよね。他の家事をしたり人と会ったりするときに支障をきたす可能性も。
この記事では魚を触ったあとに気になる手の生臭さの対処法を紹介します。
目次
魚料理をすると手が臭くなるのはなぜ?
魚を扱ったあとの嫌なにおい残りは料理をする人なら1度は経験したことがあるはずです。生臭さは時間の経過にともなって魚の鮮度が落ちることで強くなっていくと言われています。
生臭さの主な原因物質は「トリメチルアミン」
魚をはじめとする生物の体内に含まれるトリメチルアミンオキシドやピリジン、ピロリジンなどは生物の代謝の一環で生じる成分です。
トリメチルアミン-N-オキシド(英: trimethylamine N-oxide, TMAO)は、化学式が(CH3)3NOの有機化合物である。(…) 海水魚、サメ、エイ、軟体動物および甲殻類において、オスモライト(浸透圧調節物質)として存在する。
Wikipedia-「トリメチルアミン-N-オキシド」より引用
これらの成分が魚介類が死んだときに分解され、混合することで生臭さの原因物質が生成されるそう。特に「トリメチルアミン」と呼ばれる有機化合物が腐敗臭のようなにおいを引き起こしていると言われています(1)。
アミン臭は石鹸では落ちない
環境省が定める特定悪臭物質にも認定されているトリメチルアミン。料理をしているときに手のひらのしわや指紋に付着することが悪臭の原因です。
またトリメチルアミンによって生じるにおいは「アミン臭」とも呼ばれます。アンモニアに近いと言われ、アルカリ性の特質をもっています。一般的に石鹸や洗剤はアルカリ性のものが多く、同じ性質のアミン臭を中和することができません。
私が入念に手を洗っても効果を感じられなかったのにも納得ですね。
手が生臭くなったときの対処法
魚介類はどうしても生臭いにおいが移ってしまいますが、魚を毛嫌いする必要はありません。キッチンや冷蔵庫にはにおい対策に効果的なお助けアイテムが隠れています。
柑橘類の皮でこする
食器用洗剤や石鹸によく含まれている柑橘類には食材の臭みを緩和する性質があります。
みかんやレモンに含まれる酸にはシンクや包丁に付いてしまった同じくアルカリ性の水垢を中和する性質もあるので、使い勝手のいい皮部分で水周りを掃除してしまえば一石二鳥です。
生の果物が無い場合はポッカレモンなどの果汁でも効果あり。
ステンレスに触れる
流しや蛇口などステンレスに触れることで魚のにおいが解消されると聞いたことがある人も多いかもしれません。
いまだに科学的根拠が無く否定的な見方がされることも多い説ですが、私の実家では100均などに売っているステンレスボール(ソープ)が設置してあって個人的には生臭さがマシになると感じました。
ちなみにステンレスボールの使い方はシンプルで、手の上や指の間でころころと転がすだけ。臭い手で蛇口に触りたくない場合にもおすすめです。
牛乳で洗う
牛乳はタンパク質や脂肪を含むコロイド溶液です。
レバーなどの生肉の臭みを消すのにもよく使われる牛乳には、液体の中に含まれる粒子が大きく物質を吸着しやすい特徴があります。ボールなどに張った牛乳で手を洗うことで、皮膚に付着した生臭いにおい成分を取り除いてくれるのです。
参考 レバーや魚を牛乳に浸しておくと臭みがなくなるのはなぜですか明治 Q&A薄めた酢で洗う
牛乳と同様にお酢に含まれる酢酸も魚臭さを無くしてくれる優れものです。実際、台所まわり用スプレーや洗剤などのお掃除グッズにもよく配合されていますよね。
そのまま使うには濃いので、水で2〜3倍に希釈して使うのがおすすめです。酢で手洗いした後に軽く石鹸で洗い直せば嫌なにおいが落ちてさっぱりしますよ。
塩を揉み込む
小さじ1程度の塩をとり、手のひらを中心に揉み込むとにおいが軽減されます。塩は粗い方が消臭効果が高くなるそう。
まな板など魚をさばく際に使った調理器具にも振りかけて、軽くこすり洗いするのも効果的です。
まとめ
魚は個人的にも大好物ですが、調理中の生臭い悪臭がネックになって敬遠しがち。石鹸では落としづらい嫌なにおいもキッチンにあるものだけで簡単に対策ができますよ。
- 柑橘類の皮でこする
- ステンレスに触れる
- 牛乳で洗う
- 薄めた酢で洗う
- 塩を揉み込む
[…] 緑膿菌が有機物を分解する際に産生する「トリメチルアミン」と呼ばれる化合物は、死んだ魚から放たれる腐敗臭と同じものです。 […]